「中高年になると膝や、足の付け根の痛みに悩む人が増えてきます。要支援になる原因を疾患別にみると関節疾患が最も多く、特に変形性膝関節症では、中高年の女性を中心に日本国内だけで約2500万人が罹っていると言われており、高齢化社会の進展に伴ってさらに増加すると見込まれています。
どんな病気?
多くは膝の内側の軟骨が変性、摩耗し、徐々にO脚(内反変形ともいいます)となり、膝関節の内側に痛みを訴える疾患です。進行すれば軟骨を支えている骨も削れて歩行の障害となります。
変形性膝関節症に対する療法
- 1) 保存療法
- 保存療法とは自然経過の進行を遅らせ、症状を軽減させることを目的とした治療法です。鎮痛薬の内服やヒアルロン酸の注入などで痛みをコントロールする薬物療法や、正座を避ける、杖をつくなどの日常生活上の指導を行います。また、足底版などの装具療法を組み合わせて治療を行っていきます。
- 2) 手術療法
- 保存療法で効果が得られない場合には手術療法の適応となります。変形性膝関節症に対する手術療法は、高位脛骨骨切り術、人工膝関節置換術などの種類がありますが、当院では高位脛骨骨切り術を中心に行っております。
どんな病気?
関節軟骨が変形したり摩耗することによって、足の付け根の痛みや機能低下を生じる疾患です。先天性のものに起因するものが約80%を占めているといわれています。
変形性股関節症に対する療法
- 1) 初期
- 年齢が比較的若かったり、症状が軽い場合には保存療法で経過観察を行います。
- 2) 進行期~末期
- 変形性股関節症の症状が悪化してきている状態です。この状態では手術療法が適応となります。当院では患者さま自身の関節を温存する「大腿骨転子下外反骨切り術」「オマリー式筋解離術」をいった手術を中心に行っております。